製品化までの時間短縮のためにバイアル充填、もしくは正確な投与量確保のためにプレフィラブルシリンジ(PFS)充填された状態でのmRNAベースのアプリケーション(/製剤)の利用が増えていますが、サプライチェーンや低温保管、ライフサイクルマネジメントにおいていくつかの技術的問題点や課題が生じています。
mRNA溶液は不安定で刺激に弱いため低温保管を必要とすることがあります。PFSシステムは複数の化学成分によって構成されており、冷凍保存はシステム全体にストレスを与えて一部成分を損傷する可能性をはらんでいます。
Stevanato Groupでは最前線で市場を支えるアプリケーション(/製剤)が現在および将来のニーズに対応できるよう、解析サービスチーム協力のもと、CCI(コンテナ・クロージャー・インテグリティー:容器密閉性の確保)、機能性、機械的性能に焦点を当てた冷凍条件下での容器の適合性を調査しました。
当社製EZ-fill® ITCシリンジは、調査対象となった問題点・課題すべての検査に合格しました。
結果は以下の通りです。
プレフィラブルシリンジは数個の部品から構成されており、超冷凍保存は全材料の完全性保持に対しする大きな課題です。
EZ-fill® ITCシリンジは、-70℃、7日間保管の試験条件下でCCIに問題がないことを確認しました。
ヘッドスペースCO2分析によるテストでは、1週間の冷凍期間後、二酸化炭素の侵入シグナルは確認されず、プランジャーの転移現象においてもSG EZ-fill® ITCシステムのmRNAアプリケーションへの適性を確認しました。
二酸化炭素のヘッドスペース分析を行った結果、ITC空シリンジ30本すべてにおいて二酸化炭素は検出されなかった。このことから、-50℃における材料特性の変化によるCO2侵入のような不具合は発生していないことがわかる。また、ポジティブコントロールではかなりのCO2の侵入があり、ネガティブコントロールではCO2の侵入がないことから、両コントロールとも想定結果を得た。
mRNA therapies on the rise: Challenges for primary packaging and solutions to test for best performance